1: 名無しさん 2015/02/22(日) 02:55:45.30 ID:???*.net
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO83142950T10C15A2000000/

 ヒヌマイトトンボという小さくて珍しいイトトンボがいる。
大きな川の河口付近、海水と淡水が微妙に混ざり合う
「汽水」の湿地だけに生息している。海水のように塩分が高すぎても生存できず、
逆に淡水になれば、今度は他のトンボ類との競争に負けてしまう。



■海水と淡水が混ざる場所で生きるヒヌマイトトンボ 

 そんな微妙な場所が都合よくあるのかと言われそうだが、
ヒヌマイトトンボはかつて東京や神奈川、大阪を含め、 
本州から九州にかけて広く生息していた。このことから分かるのは、
大きな川の河口部には必ずといっていいほど 
汽水の湿地が存在していたことだ。
そして、半数以上の府県から絶滅した事実からは、汽水の湿地が 
人間の開発によっていかに失われやすいかということもまた浮かび上がる。 

 東北地方には約10カ所の生息地が知られていたが、
東日本大震災による津波によって、1カ所を除いて絶滅した。 

 唯一生き残ったのは、東北を縦断する北上川の河口部だった。
ここには10キロ以上にわたってヨシ原が残されており、 
おそらくは上流方向に流れついて偶然生き残ったものが、
新たに分散しながら世代を繰り返していた。 
北上川以外の生息地はいずれも数百メートルだけ残された狭い湿地だったので、
津波によって破壊されれば、 
偶発的に生き残るすきまもなかったのだろう。 

 その北上川に唯一生き残ったヒヌマイトトンボが大きな問題に直面している。 
 津波によって海水がさかのぼったことで、塩分を含む汽水環境もまた上流に移動した。
しかし、この4年間に上流部から再び淡水化が進んでいる。
ヒヌマイトトンボが一時的に生き残っていた場所もすでに汽水ではなくなりつつあり、 
生息地は海に近い下流方向へと移動しているようなのだ。
護岸工事が進んだ現在、河口に近い場所にはすでに、 
生息できそうなヨシ原は残っていない。
このままでは生き残ったヒヌマイトトンボも数年のうちに行き先を失って、 
消えてしまう可能性がある。 

画像 
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3: 名無しさん 2015/02/22(日) 02:57:09.50 ID:???*.net
>>1続き)

 これまでは人間が土地の用途を決めるなかで、
開発する場所と自然を残す場所を線引きして決めることが多かった。
しかし、津波跡の汽水湿地のように、
塩分が抜けるにつれて下流に向かって移動してゆくような場面では、
固定した狭い場所を残しても、やがては別の環境へと変わってしまう。
では、その都度新しい湿地を作ればよいではないかという意見もあるかもしれないが、
問題はそう簡単ではない。

 例えば水草だけを移植したとしても、
それは複雑な生態系のなかから数種類だけを抜き出すこと、
つまり花壇を作るのと同じことで、人が手をかけずとも存続して
ゆく生態系を残すことにはつながらない。
トンボがいそうなヨシ原を人工的に作ろうとしても、現実的には難しい。
一方で、もし洪水などでこうした湿地が自然にできるならば、話は違う。
周囲からさまざまな動植物が流れ着き、
数年のうちに多様な生物種が生息する湿地ができあがる。

■再生力のある生態系の保存、現代社会の大きな課題

 要するに、自然環境とは人間が体に受けた傷に例えることができるだろう。
十分な「体力」、すなわち本来の自然環境が周囲に残っている状態であれば、
再生力を引き出しさえすれば、傷が治癒するごとく湿地は再生する。
だが、体力がない状態での再生はむずかしく、ましてや人工的に作ろうとしても困難だ。
周辺も含めて、自然環境を広く残す以外に方法はないのだ。

 「自然を残す場所」を小さく区切ってしまうと、自然の再生力を奪い去ってしまう。
いかにして再生力のある生態系そのものを残すか。
これは、現代社会が直面する大きな課題なのだが、
まだ課題としてさえ十分には認識されていない。

 北上川では、生態系が変化することを前提に、
「広さ」を残す議論が始められたことは、新しい取り組みとして画期的なことだ。
しかし、ヒヌマイトトンボの存続に間に合うかどうかは分からない。

5: 名無しさん 2015/02/22(日) 02:58:40.87 et
ヒヌマイトトンボ

萌えキャラ化して守ろう。

6: 名無しさん 2015/02/22(日) 02:58:49.33 et
考えも無しに湿地の開発したりしてなければ
東北でどんだけ巨大な津波が起きても
このトンボが絶滅の危機に瀕することは無かった

8: 名無しさん 2015/02/22(日) 03:09:07.47 et
ひとまずどこかで人工的に養殖しながら適合地を探せよ
人間がそうしたなら人間が保護する責任もある

13: 名無しさん 2015/02/22(日) 03:28:53.34 et
>>8
役所にさせたら「トキセンター」の二の舞だな。

大体、日経みたいに自然科学に弱い新聞社が、まともな記事をかけるはずがない。
この分野は朝日の一強で毎日読売が普通。サンケイは不明、日経は幼稚園と思った方が良い。
過去に電力回生ブレーキを「熱発電素子」、マッハ数の時速とmを取り違え約310-330km/hとした記事があった。

9: 名無しさん 2015/02/22(日) 03:11:44.57 et
そういや、シオカラトンボってのがいたな。
なにが塩辛いのかさっぱり分からんかった。
メスがムギワラトンボだって知った時は何だか
不純異性交遊の香りがしたな。

18: 名無しさん 2015/02/22(日) 06:03:08.34 et
まあ津波など自然現象による地域的絶滅は恐らく何度も繰り返されてきただろうから仕方がない。
そのたびに徐々に盛り返して回復してきたのだろう。

乱開発については改める必要はあるな。
汽水湿地はバッファ領域として必要だと思うから、特別に残したり場合によっては作り出したりするべきだな。

21: 名無しさん 2015/02/22(日) 06:12:21.58 et
震災の数ヶ月後に、なんか真っ黒いトンボ見た覚えがある
それまで見たこと無かったのに、いきなり出てくるから怖かったなw

28: 名無しさん 2015/02/22(日) 08:13:08.08 et
>>21
それ霊

23: 名無しさん 2015/02/22(日) 06:55:18.62 et
石巻にしばらく滞在したことあるが、アパートの入り口で一度イトトンボを
見かけた。もしかしたらこの種だったかもなー。

29: 名無しさん 2015/02/22(日) 08:31:49.05 et
イトトンボは田舎でもレアだからな
一番綺麗だった瑠璃色トンボも一回しか見たこと無い

引用元: ・【社会】「汽水の湿地だけに生息」 震災の津波から逃れた珍しいトンボの生息地 消滅の危機に